〈水槽に寄れば寄り来る目高の目〉(内田定子)。梅雨も明け、猛暑続きの毎日に涼感をもたらすものにメダカ観賞がある。体長3センチほどの魚が水槽や水盤をすいすい泳ぐ様子は、うだる暑さをいっとき、忘れさせてくれる▼江戸後期から観賞魚として定着したメダカは改良が進んだ近年、新たなブームを呼んでいる。高値で取引されるとあって、6月には佐野市の会社員宅から飼育中のメダカ20匹を盗んだ男が逮捕される事件も起きた▼大田原市にある県なかがわ水遊園の安藤孝聡(あんどうたかあき)さんによれば、国内に生息する原種は1種とされていたが、8年前に東北地方などにすむキタノメダカと本県をはじめ広く分布するミナミメダカの2種がいることが分かった。うろこの色合いがやや異なるが、素人が見分けるのは難しいとか▼同園で9月1日まで開催中のメダカ展が楽しい。原種のほか出目メダカやダルマメダカなど多様な改良品種計100種が展示されている▼新潟県に伝わるめだかのつくだ煮の試食会も8月10日にある。1瓶1万円と極めて高価で、安藤さんによると「ワカサギのようにやや苦みがある大人の味」だそうだ▼産卵場所の田んぼの環境が大きく変わり、原種の数が減少。身近だったメダカも今は絶滅が危惧されている。展示会は自然との共生を考えるきっかけともしたい。