7回、作新の福田が中前に逆転の2点適時打を放つ=清原

8年ぶりの決勝進出を逃し、うなだれる宇商ナイン=清原

4回、ピンチでマウンドに集まる青藍泰斗ナイン=清原

8回、文星付・饗庭のスクイズで三走の村山が生還=清原

7回、作新の福田が中前に逆転の2点適時打を放つ=清原 8年ぶりの決勝進出を逃し、うなだれる宇商ナイン=清原 4回、ピンチでマウンドに集まる青藍泰斗ナイン=清原 8回、文星付・饗庭のスクイズで三走の村山が生還=清原

 第101回全国高校野球選手権栃木大会第10日は27日、清原球場で準決勝2試合を行い、9連覇を狙う作新と12年ぶりの優勝を目指す文星付が決勝に進んだ。決勝で両校が顔を合わせるのは1995年以来24年ぶり。

 作新は7-4で宇商を下した。四回までに2点をリードしながら五回に逆転を許したが、六回に立石翔斗(たていししょうと)の中前打で同点に追い付き、1点を勝ち越された直後の七回は福田真夢(ふくだまなむ)の中前2点適時打で逆転した。主戦林勇成(はやしゆうせい)は、4点を失いながらも粘り強い投球で完投した。

 文星付は7-6で青藍泰斗を振り切った。3点を追う四回に連続敵失で同点に追い付くと八回は斎藤真央(さいとうまお)の右前適時打、饗庭陽成(あいばようせい)のスクイズ、笠原球斗(かさはらきゅうと)の左前適時打で一挙3点を勝ち越した。九回に1点差まで迫られたが、主戦饗庭が強気の投球で相手の反撃を断った。

 1995年の決勝は文星付が6-1で作新に勝った。決勝は28日午前10時から清原球場で行われる。

■劣勢跳ね返す執念の一打

 1点を追う七回2死一、三塁。打席に向かう背番号8の姿に、作新の小針崇宏(こばりたかひろ)監督は思った。「前の打者が四球を選んだ瞬間、打席に歩き出していた。気持ちの強さを感じた」。百戦錬磨の指揮官は福田真夢(ふくだまなむ)の執念に賭けた。

 作新がピンチに追い込まれる契機を与えたのが福田だった。2-1に迫られた五回2死走者なしの場面。平凡な外野フライが風で戻され、左翼手の福田が落球。そこから主戦林勇成(はやしゆうせい)が連打で逆転を許し、同点の六回はソロ本塁打を被弾。試合終盤にリードを許したのは今大会初めてだった。

 「何としても取り返す」。福田は勝負の打席、指1本分だけバットを短く持った。ツーストライクに追い込まれてからは直球と変化球、いずれも対応できるよう頭を整理した。4球目の外の変化球を振り抜いた打球は遊撃手のグラブのわずか上を抜け、中前で弾んだ。球場に漂い始めた「よもや」の空気を吹き飛ばした価値ある一打だった。

 昨夏は県大会で1番打者を任されたが、甲子園での大阪桐蔭との1回戦では後輩の1年生に先発の座を譲った。「実力不足。悔しかった」。その思いを原動力に、この1年は猛練習で野手陣を引っ張ってきた。

 この日は適時打2本を含め4安打をマークし、今大会の打率を5割台に乗せた。「決勝でも打って投手を助ける」。逆境を力に変えた男の瞳に、自信がみなぎった。