宇都宮市の大通りを往来するおびただしい数の路線バスでまれに、女性の運転士を見掛ける。大型バスの運転士は根強く残る男の仕事の一つかと思っていたが、違ったようだ▼路線が県内ほぼ全域をカバーする関東自動車によると、同社の運転士全626人中、女性は15人。10年ほど前から採用し始めた。石原玲一(いしはられいいち)常務執行役員は「もっと増やしたい」と意気込む▼運転士が配属される営業所に、専用の休憩室やトイレの設置を進めてきた。バスの性能向上も女性に追い風となった▼大型バスは重いマニュアル車のイメージが強いが、近年は運転しやすいオートマチック車が増えた。まだ1割にとどまるものの、今後はどんどん切り替わるという。変わったと言えば、バスの運転も丁寧になった。急発車急停止が減った▼加えて、降りる際に運転士があいさつしてくれるようになった。「高齢の人が転ぶと大きなけがにつながりかねない。接客は安全と同様、力を入れている」と石原氏。そういう点でも、女性運転士は客の反応がいいそうだ▼マイカー普及に伴い路線の減便や廃止が続いた時代を経て、高齢化でお年寄りの利用が増え、コミュニティーバスを導入する自治体も相次ぐ。安全で快適で、すがすがしい気分になれるなら、地域の足としてバスを愛用する人が増えるに違いない。