遺産継承、思い結集 ユネスコ登録後初「山あげ祭」

 那須烏山市烏山地区の夏の風物詩「山あげ祭」が21日、開幕した。今年は「烏山の山あげ行事」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録後、最初の祭りとなる節目の年。関係者は「記念すべき年を盛り上げる」「観光客へのおもてなしを充実させたい」と、23日まで続く祭りに意気込んでいる。

 「若衆も気合が入っている」。21日午後、山あげ行事を行う今年の当番町・仲町若衆の筆頭世話人島崎健一(しまざきけんいち)さん(47)は、炎天下で若衆らが舞台を設営したり、背景画となる巨大な「はりか山」を立ち上げたりする様子を見詰めていた。

 全6町による輪番制で行われている山あげ祭。少子高齢化による人手不足が最大の課題で、特に仲町は前回の当番町の後、若衆団が活動を一時休止するなど深刻な状況にも陥った。島崎さんも筆頭世話人は3回目となる。

 ユネスコ登録後最初の祭りを担う重責を負うが、「非常に光栄なこと。さまざまな方の協力に助けられている」と感謝。その上で「記念すべき年を皆で盛り上げたい」と力を込めた。

 今年はユネスコ登録効果で観光客の増加が見込まれる中、関係者が特に重視したのがおもてなしの充実だ。昨年は1カ所だった飲食できるイートスペースを4カ所に拡充するなどした。

 中心は山あげ祭実行委員会で、委員長を務める地元選出の三森文徳(みもりふみのり)県議は「山あげ祭は他にはない祭り。おもてなしの面でも満足してもらい、リピーターになってほしい」と話す。同会長の大谷範雄(おおやのりお)市長も「初日から人出が多く、ユネスコ効果を感じている。山あげ祭を核にして人を呼び込みたい」とした。

 烏山山あげ保存会の島崎利雄(しまざきとしお)会長(86)は「国際的な評価を得られたことで祭りに対する見方が変わってきた」と喜ぶ。今年は企業や団体、学校などの組織的な支援が増えたことを挙げ、「今後もしっかりと保存・継承していくための支えになる」と期待を寄せていた。