パソコンに向かい支持者らに呼び掛ける町田氏=14日、宇都宮市内

 今回の参院選で得票率2%を上回り、法律上の政党要件を満たすことになった「れいわ新選組」と「NHKから国民を守る党」(N国)。栃木選挙区でもN国から立候補した新人町田紀光(まちだとしみつ)氏(40)が3万8508票を獲得、れいわは県内比例代表で2万6746票を集めた。得票率はそれぞれ5・52%、3・82%。政党ではなかった政治団体がこれだけの得票率に上るのは2000年以降の参院選で初めて。両者に共通したのはインターネットでの活発な発信と、身近で分かりやすい政策だ。(小野裕美子(おのゆみこ))

 「皆さんのおかげで2%を超えることができました」。投開票翌日の22日朝、町田氏はツイッターに感謝の言葉をつづった。

 受信料契約者のみが視聴可能になる「スクランブル放送」の実現を公約に掲げ、ワンイシュー(単一争点)で臨んだ町田氏。活動は主にツイッターでの情報発信。選挙事務所も設けず、県内での街頭演説は数回だけだった。

 政見放送にはイチゴのかぶり物姿で登場し、その姿を面白がった視聴者が動画投稿サイト「ユーチューブ」などで映像を拡散した。町田氏は「知名度がないので目立つしかない」と説明。ふたを開ければ、得票率は目標の2%を大きく超えていた。

 一方、れいわも公約は「消費税廃止」「全国一律の最低賃金1500円」など生活に身近で明快な内容。山本太郎(やまもとたろう)代表がネットを通じて候補者を擁立するための寄付金を募り、「死にたい世の中から生きたい世の中に」などと訴えた動画がネットで広がった。都内での街頭演説の聴衆は徐々に膨れ上がり、その様子もまたネットで拡散された。

 山本代表がJR宇都宮駅前で行った街頭演説には300人ほどの有権者らが詰め掛けた。熱心に聴いていた宇都宮市、主婦(39)は「フェイスブックで見て知った。新しい政治に期待したい」と語っていた。

 下野新聞社が投開票日の21日に行った出口調査では、町田氏に投票した有権者のうち支持政党を持つ人は50・5%で、無党派層の8・3%を大きく上回った。また、れいわでは無党派層は8・7%のみ。政治や既成政党への不満を持つ有権者らの受け皿となった。