那須町で春山安全登山講習会中に大田原高の生徒と教員の計8人が死亡した雪崩事故を受け、スポーツ庁の有識者会議は28日、同庁で最終会合を開き、高校生らの冬山登山の事故防止のための提言を取りまとめた。冬山登山を原則禁止する同庁の従来方針は維持し、例外的な実施には外部有識者を含む登山計画審査会の事前審査などの条件を設けた。同庁は早ければ週内にも、提言に沿った方針を各都道府県教委や山岳関係団体などに通知する。

 高校生は厳しい環境での登山の技術、危機管理能力などが不十分だとして、冬山登山は従来通り原則禁止とした。さらに雪崩事故が「春山安全登山講習会」で起きたことを踏まえ、冬山登山を、時期を問わず吹雪、雪崩などで遭難事故が起きる恐れがある環境での活動と定義付けた。登山には講習会も含むとした。

 ただし教育的観点から冬山登山を例外的に行う場合、(1)適切・安全な場所で基礎的内容にとどめ、登頂を目的としない(2)必ず複数人で引率し、少なくとも1人は豊富な冬山経験と知識を持つ、山岳指導の有資格者が望ましい−など五つの条件を設定。登山計画審査会は現在も一部の都道府県で設けているが、今後は全都道府県で、審査会による登山計画の事前審査が求められる。

 五つの条件のほか、計画段階での関係者の役割の明確化、「ヒヤリ・ハット」事例を含む各教委への結果報告などの留意点も詳細に提示した。