キーパーソンが“拡散” 外国人間で災害情報伝達 栃木県国際交流協会が取り組み

 県国際交流協会は大規模災害時、情報伝達の中継役となる「外国人キーパーソン」を通じて外国人の友人・知人らに情報発信する事業に取り組んでいる。同じ出身国や言語圏など、キーパーソンが持つネットワークを活用し、多言語にわたり会員制交流サイト(SNS)やメールで情報を「拡散」する。2011年の東日本大震災を教訓として始めた取り組みで、同協会は「迅速に、幅広く伝達できる」と期待している。

 県によると、16年末の県内在住外国人は過去最多の3万5721人。出身国は117カ国・地域に上る。同協会によると、外国人が情報を得る手段は少なく、災害時の情報伝達が課題という。

 同協会は東日本大震災発生後の11年3月12日から20日間で、英語やポルトガル語、スペイン語など5カ国語でライフラインの状況や原発事故の概要、計画停電の情報などを計70回、メールマガジンで配信した。

 ただ、5カ国語にとどまり、配信登録者も878人と少なかった。そうした課題を踏まえ同協会は15年11月から、外国人キーパーソンの取り組みを始めた。

 大規模災害が発生した場合、同協会のメールマガジンやキーパーソン向けメーリングリスト情報を受けたキーパーソンが、母国語に翻訳するなどし、それぞれのネットワークでつながる知人らにSNSやメールで発信する。

 キーパーソン登録者は現在17人で、出身は中国、韓国、フィリピン、ブラジル、ネパールなど12カ国。飲食店経営者や会社員、同協会関係者らで「1千人以上のつながりがある人もいる」(同協会)。メールマガジンの登録者数は現在、約2200人。同協会はキーパーソンによって情報拡散のほか外国人が絡む被災状況やニーズの収集も狙う。