【宇都宮・障害者施設傷害事件】理事長、虚偽報告疑い 栃木県警、自宅など捜索

【宇都宮・障害者施設傷害事件】理事長、虚偽報告疑い 栃木県警、自宅など捜索

 社会福祉法人「瑞宝会」が運営する宇都宮市西刑部町の知的障害者支援施設「ビ・ブライト」で4月、入所者男性が重傷を負った事件に関連し、法人が傷害の事実を知りながら同市に「情報はない」などと虚偽の報告をしたとして、県警は23日、障害者総合支援法違反の疑いで同市下栗町の法人本部や同市内の土屋和夫(つちやかずお)理事長(59)宅など数カ所を家宅捜索した。捜査関係者によると、都道府県警が同容疑で強制捜査に着手するのは、極めて珍しいという。

 土屋理事長宅には午前7時50分ごろ、捜査員約10人が入った。土屋理事長の立ち会いで駐車場の車なども捜索し、押収品などが入ったとみられる段ボール1箱を運び出した。法人本部は午前8時30分ごろ、捜査員約20人が入り午後2時ごろ、段ボール約40箱をワゴン車に積み込んだ。県警は同日、土屋理事長ら法人関係者を呼び、事情を聴いた。

 捜査関係者や同市によると、市は8月中旬、同法の規定に基づき、虐待や暴力行為の事実関係や経緯に関する調査結果の報告を求めた。同法人は同月下旬、土屋理事長名で調査報告書を提出。虐待の事実を知りながら、「全職員から聞き取り調査を行ったが、虐待・暴力行為の目撃情報などは得られなかった」とする虚偽の報告をした疑いがあるという。

 土屋理事長は傷害事件発覚後、下野新聞社の取材に、「内部調査では暴力を確認していない。市にも同様の報告をした」と話していた。

 だが県警の調べでは、法人の内部調査に「暴行の現場を見た」と証言した職員がいたという。

 傷害事件は、元職員ら2人が共謀し4月15日、「ビ・ブライト」で入所者男性の腰付近を数回蹴るなどして約6カ月の重傷を負わせた、とされる。また、職員として働いていた県警OBが暴行の目撃情報の文書を破棄したとして、証拠隠滅の罪で罰金の略式命令を受けた。