子どもの虐待なくそう 地域の支援と「社会的養護」考えるつどい 

 さまざまな事情から家庭で十分な養育を受けられない子どもを放課後に支援する「子どもの居場所」。貧困や虐待の連鎖を断つことを目的とした本県独自の取り組みだが、県内4市に7カ所しかなく、支援が行き届いていないのが実情だ。11日には「こどもの虐待をなくそう!県民のつどい」が宇都宮市内で開かれ、居場所の意義や拡充する上での課題を共に考えた。

 子ども虐待防止ネットワークとちぎ、認定NPO法人青少年の自立を支える会が主催した。同ネットワークの福田雅章(ふくだまさあき)代表は「虐待防止の決め手は地域の子育て支援。居場所が県全体、全国に広がるきっかけの集いにしたい」とあいさつした。

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 パネリストは小山市の居場所「おひさま」代表高橋弘美(たかはしひろみ)さん、宇都宮市清原中教諭大木誠(おおきまこと)さん、同市の居場所「月の家」のボランティアで宇都宮共和大准教授石本真紀(いしもとまき)さん、日光市職員で社会福祉士立花梨絵(たちばなりえ)さんの4人。基調講演を行った北海道大大学院教授松本伊智朗(まつもといちろう)さんがコーディネーターを務めた。

 子どもの居場所は、認定NPO法人だいじょうぶが2011年、日光市につくったのが最初。その後、県の3年にわたるモデル事業を経て現在、宇都宮、小山、日光、那須塩原市に開設されている。

 スタッフが学校や家に子どもを迎えに行き、食事や入浴、宿題のサポートなどをして家まで送り届ける。子どもとともに、子育てに困難を抱える親を支え、虐待の未然防止につなげるのが狙いだ。

 大木さんは、家庭への関与が必要なケースでも、学校が踏み込めない状況を説明。「居場所で関わってもらえると、救われる子どもたちがいる」と必要性を指摘した。石本さんは「ありのままを受け止めてくれる大人との関わりは、子どもの成長に欠かせない」と実感を述べた。

 県のモデル事業でも、ネグレクト家庭や一人親家庭、生活困窮家庭の子どもにとって居場所が必要かつ有効であることが確認されている。

 高橋さんは「食事や洗濯など、子どもに実質的な支援ができる」、立花さんも「子ども自身がどうしたいか、気持ちを知ることができる」と意義を強調した。

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 多くが居場所の必要性を認める一方、課題もある。

 高橋さんは「週2回通うだけでは困難を解決できない。地域の仕組みが必要」と指摘した。大木さんは「学校と地域が情報を共有しながら連携することが課題。子ども食堂や居場所が増え、地域がまとまることを期待する」、石本さんは「支援が必要な子どもはもっと多い。行政と協働し、支援につながる仕組みができたらいい」と話した。