冷夏の影響が心配だ。深刻な日照不足が続くと、冷害でコメが凶作となりタイ米を食べた1993年を思い出す▼この年の衆院選は冷夏とは裏腹に、熾烈(しれつ)な戦いが繰り広げられた。新党ブームに乗って細川連立内閣が発足。自民党が結党以来初めて野党に下る歴史的な選挙だった▼同じ冷夏でも、今年の参院選は盛り上がらなかった。自民党の高橋克法(たかはしかつのり)氏が再選した栃木選挙区の投票率は44・14%。統一地方選と重なる亥(い)年は選挙疲れで投票率が落ち込むというが、それだけではあるまい。若者の政治離れが深刻である▼県選管は4月の県議選で投票率が極めて低かった若年層をターゲットに、あの手この手の啓発活動を展開した。大学食堂の机に選挙ステッカーを貼ったり、県民に人気があるU字工事を起用した動画をツイッター内の広告に載せたり▼争点の消費税増税や年金問題などは、これからの社会を支える若者に大きく関わる。必要な情報は届いていたのだろうか。宇都宮大地域デザイン科学部の三田妃路佳准(みたひろか)教授(政治学)の指摘が興味深い▼「政治に関心がある学生は多いが、選挙区の候補者の名前となるとほとんどの子が知らない」というのだ。ギャップをどう埋めるか。投票に行かない代償は10年後、20年後にやって来る。政治離れを嘆く前に、知恵を絞らねばならない。