移動博物館が「最後の授業」32年の歴史に幕 学校訪問し生の資料で教育

 県立博物館職員が県内各地の小学校を訪問し、収蔵資料を紹介する「学校移動博物館」が8日、日光市大桑小への訪問で32年間の歴史に幕を下ろした。児童の学習意欲向上や博物館のPRを目的とした“看板事業”だったが、近年の事業刷新や県の予算縮小などが影響し本年度で終了となった。同校の児童たちからは「悲しい」「もっと続けて」と惜別の声が上がった。

 学校移動博物館は1986年に開始。初年度は15校、90年以降は8~10校を訪問し、今回で通算292回となった。県立博物館のある宇都宮市から遠い学校の児童にとっては、幅広い分野の資料を目の当たりにできる貴重な機会だった。

 この日は同校児童約190人が参加。1~3年生には古代生物や昆虫、4~6年生には日本の各時代の衣装などを紹介。体育館には動物の化石や標本、埴輪(はにわ)など約800点が展示され、児童らは興味深そうに見入っていた。

 十二単(ひとえ)を着用した6年稲葉泉李(いなばせんり)さん(12)は「想像より重かった。貴重な経験」と笑顔。大鎧(よろい)を着た6年手塚一樹(てづかいつき)君(12)は「昔は重い鎧を着て戦場を駆けたのがすごい」と感心しつつ、「移動博物館がなくなるのは悲しい」と口にした。