【解説】「身の丈町政」に一定評価、幅広い意見に耳を 市貝町長選で入野氏3選

 町を二分した過去2回の選挙戦から一転、市貝町長選は入野正明(いりのまさあき)氏が無投票で3選を決めた。堅実な町政運営で大きな失点は見られない入野氏に対し、これまでの町長選で対立候補を支援してきた自民党市貝支部は今回、組織がまとまらず事実上の「不戦敗」に追い込まれた。

 初当選時の2009年度に15・7%だった町の実質公債費比率は、16年度には8・4%まで減少するなど財政状況は大きく改善。施策を絞って予算規模を抑える「身の丈に合った町政」に取り組む入野氏の手法は、一定の成果を上げているといえる。

 一方、財政難を理由に副町長を置かないなど、独善的にも見える町政運営が町の発展を停滞させているとの批判は根強い。町の人口は1万2千人弱と県内最小規模で、町の活力向上にはさらなる人口減少・高齢化対策や産業振興が不可欠になる。

 無投票3選は決して「白紙委任」ではない。町議会は町長支持派と不支持派が拮抗(きっこう)している。幅広い意見に耳を傾けながらリーダーシップを発揮し、町民が納得できる成果を上げられるか。3期目の入野町政には、町民の一層厳しい目が注がれている。

◆市貝町長選の結果