セクハラやパワハラといった職場のハラスメントに近年、男性の育児休業取得への嫌がらせ「パタニティーハラスメント」が加わった。そこまでではないにせよ、周囲の目が厳しいなど“空気”を読んで、取得しない男性は多い▼国が2020年までに取得率を13%に引き上げる目標を掲げるのに対し、県内企業の18年度の実績は4%。しかも、数日の休みで取得したと勘定する事例が目立つ。長期間はまれだ▼小山市職員としては最長の9カ月の育休を取った塚原弘史(つかはらひろふみ)さん(34)は先月、市の男女共同参画フェアで体験談を語った。職場復帰後、快く思わない人たちから飲み会で嫌みを言われた▼だが未婚の男性は皆「取りやすくなる」と肯定的で、うれしかったという。こうした先例が身近にあることが、取得の壁を壊すきっかけになる▼国連児童基金(ユニセフ)の報告書によると、日本の育休制度は対象41カ国のうち男性で1位の評価を得たものの、実際に取る父親は非常に少ないとして、その特異性が指摘された。社会的な理解が進むのを期待しても時間がかかりそうだ▼一方で北欧は父親に育休の一定期間を割り当てるなどして、取得率が飛躍的に伸びた。参院選まっただ中。少子化の中、男性も気兼ねなく取れる環境はどんな政策なら実現するのか。各党の訴えに耳を傾けたい。