今夏のお化け屋敷に向けて、人形に着色を行うなどし、準備を進める柳社長

 お化け屋敷の企画や運営を担う佐野市田沼町の丸山工芸社が、この夏に佐野、宇都宮両市で開くお化け屋敷の準備に力を注いでいる。同社は2月、近隣で起きた火災に巻き込まれ、人形200体以上と着物などを焼失した。火災後、気落ちする柳誠(やなぎまこと)社長(74)のもとには、県内各地から「人形に着せて」と着物数百着の寄付が届いた。寄付に心を打たれた柳社長は「質の高いお化け屋敷を今年も作り、気持ちに応えたい」と、恩返しとなるお化け屋敷の設営に向けて意気込んでいる。

 同社は昭和初期にお化け屋敷を始め、「浅草花やしき」や「後楽園ゆうえんち」のお化け屋敷の制作を手掛けたことでも知られる。佐野、宇都宮両市で毎年お化け屋敷を開いており、県内外にファンがいる。

 しかし同社は2月、近隣で発生した火災に巻き込まれ、作業場や事務所を全焼。江戸時代末期の豆人形など貴重な作品を含む数々の人形と衣装、企画書などを失った。30年以上使い続けた道具も焼けたという。

 今夏使う予定だった人形も多数焼け、柳社長は当初「みんな無くなっちゃった」と途方に暮れた。そんな折、同社を支援しようと地元のほか足利、下野市など県内各地から人形に着せる着物の寄付が次々届いた。

 「こんなに真剣になって応援してくれるのか」。背中を押された柳社長は、まだ使えそうな人形を倉庫から探し出し、本格的な準備に取り掛かった。1体当たり3時間以上かけて丁寧に絵の具で着色したり、幽霊やお化けを恐ろしく見せる照明の色を厳選したりと、作業を進めている。

 柳社長は「火災があったことを感じさせないぐらい素晴らしいお化け屋敷を作る。それが寄付してくれた気持ちに応えることになると思う」と話している。

 お化け屋敷は佐野市吉水町の道の駅どまんなかたぬまで7月21日~8月25日、宇都宮市江野町のオリオンACぷらざで7月27日~8月25日に開かれる。