もちもちとした食感が癖になるタピオカドリンク。平成初期のブームが再燃し、宇都宮の街なかでもタピオカドリンクを販売する店が増えている。まちなか記者もブームに乗り、魅力を体感してきた。
6月下旬、夕方のいちょう通り。車が行き交う中、通り沿いに女子高生らの長い行列ができ、会員制交流サイト(SNS)などで「何の列?」と話題になっている。
■高校生の通り道
行列の正体は、中央2丁目のタピオカドリンク専門店「タピオカファクトリーKohaku」。一番人気は「黒糖パールミルク」(税込み600円)で、極太ストローで飲むと濃厚な黒蜜ミルクの味わいと、黒糖タピオカのちゅるんとした食感が一度に楽しめた。
店は6月15日オープンした。この立地について、「南大通りで人や車の往来が多い。高校生の通り道ということで選びました」とオーナーの矢内稜輔(やないりょうすけ)さん(26)。下校時の夕方には、100人程度並ぶ日もあるという。
■ヒットの要素も
タピオカは、キャッサバ芋の根茎から作ったでんぷんが原料。第1次ブームだった1990年代初頭は、ココナツミルクに合わせたデザートだった。当時は小粒なタピオカだったが、最近は大粒な上、黒糖などで味付けしたものが主流となっている。
多くの人を引きつける理由は何だろう。行列店の前で高校生を直撃すると、「おいしいし、インスタのストーリーに上げるのにいいよね」と作新高3年の針川成葉(はりかわはるな)さん(18)。味が良いだけでなく、“映(ば)え”る。タピオカはヒットの要素を持ち合わせているようだ。
■既存店も発売へ
街なかではタピオカドリンク専門店がオープンしているだけでなく、既存の飲食店がメニューに取り入れるケースも増えている。
オリオン通りの「ヒルズカフェ」(宮カフェ2階)は昨年9月に販売開始。スタッフの池田瞳(いけだひとみ)さん(25)は「女子高生など新たな客層を取り込もうと始めました」と語る。
1番人気は「タピオカミルクティー」(税別420円)で、宇都宮にちなんだ「LRT」という裏メニューもある。インスタ映えする撮り方を尋ねると、「店ではドリンクと対照的な色のストローを選んでいます。ストローを刺した方がカラフルに撮れますよ」と池田さん。階段や店のロゴの前でこだわって撮影する女子高生も多いんだって。
1週間、タピオカドリンクを飲み歩いたまちなか記者。ドリンクの種類は店ごとに異なり、タピオカの食感も三者三様だった。ギョーザを食べた後にタピオカドリンク-。宇都宮ならではの街歩きが、今夏はやるかもしれない。