「自分を褒めたい」の名言で知られる五輪女子マラソンメダリスト有森裕子(ありもりゆうこ)さん。スペシャルオリンピックス(SO)日本の理事長として活躍するが、以前はSOについて何も知らなかったという▼関わるきっかけは引退前、東京で開かれた世界大会のサポーターとしての協力要請だった。「知的障害のある人にスポーツの場を提供する」の理念を聞かされ共感したそうだ▼6日、宇都宮市内で開かれたSO栃木の設立15周年記念式典に来賓として出席した有森さんは、昔話を紹介しながら、障害者がスポーツに親しめる機会をつくる大切さを説いた▼年々、認知度が上がる障害者スポーツだが、各組織の運営は楽ではない。SO栃木の高久和男(たかくかずお)会長のあいさつにあった「予算が足りないんです」には、実感がこもった。ボランティアも十分ではない▼だがトークコーナーでの若者たちの発言は頼もしかった。音楽療法を学ぶ女子学生は「気付き、感動まではできるが、行動に移すのが難しい。でも、それが大切」と、主体的に障害者に関わろうとする意識の重要性を訴えた▼日光市のベインズ河野伸子(こうののぶこ)さん(77)は、SO栃木の発足以来「全ての人が勝利者。アスリートには魅力がある」とボランティアを続ける。金銭的、人的、何でもいい。共に活動し魅力を共有できる人が増えてほしい。