賞状を手にする大塚さん

 【宇都宮】二荒町の「ヴァルズバー」のオーナー大塚一人(おおつかかずひと)さん(54)がこのほど、一般社団法人日本バーテンダー協会の特別功労賞を受賞した。カクテルの街・宇都宮の繁栄に寄与してきた功績などが評価された。大塚さんは「続けてきてよかった。挑戦する姿勢を忘れず、これからも宇都宮のバー文化をつくっていきたい」と身を引き締める。

 功労賞は、協会に15年以上在籍し、地域でバーの普及などに貢献した会員らを対象としている。10年に1回、協会の周年記念式典で授与しており、90周年を迎えた今年は全国から15人が選ばれた。

 大塚さんがバーテンダーを志したのは21歳の時だった。京都や銀座で修行を積み、カクテルをレシピ通りに作るのではなく、飲む人の好みや酔いの程度に合わせて作る先輩の姿を見て育った。「常連客をなかなか満足させられず、悔しい思いをした」と振り返る。

 28歳になり、宇都宮でカクテル技能や専門性を重視した「オーセンティックバー」を構えたが、設定価格やメニューを置かないスタイルが受け入れられなかったという。「宇都宮には(オーセンティックバーは)早いとしばしば言われた」。

 それでも「本物の味やもてなしを求めている人はいる」と、専門店から仕入れた氷や生搾りの果汁を使用するなど、こだわりを貫いた。「受け入れられるまで10年はかかったが、お客さまに思いが伝わったと感じる」と笑みを見せた。今後は、接客や空間づくりなど自身の店のカラーを大切にしながら技術向上を図り、大会にも積極的に出場するという。