足利や佐野、那須塩原、日光市など県内各地でツキノワグマの目撃が相次いでいる。6月の目撃情報などは25件に上り、件数を比較できる2014年度以降で最も多かったことが7日までに、県への取材で分かった。7月も続いているほか、今年はクマにかまれ、けがをする被害も発生。例年出没が多い時季を迎え、県は「音で存在を知らせるなど、クマと出合わないための行動を心掛けてほしい」と呼び掛けている。

 新聞報道に基づく県自然環境課の集計によると、本年度にクマを目撃したり、遭遇したりしたなどの情報は4月2件、5月1件だったが、6月に急増した。県内では例年5~9月に件数が多い傾向にあるが、6月をみると、14年5件、15年6件、16年23件、17年16件、18年10件で、今年は特に多かった。

 同課は「(急増の)理由は、はっきりしない」と話す。例年この時季は、餌の木の実が減ってクマが人里に近づく一方で、人もレジャーなどで山に入る機会が多くなるため、目撃情報などが増えるという。

 今年は5月11日に塩谷町上寺島の山林で、写真撮影のため移動中だった69歳男性が子グマを連れた親グマに左太ももをかまれ、軽いけがをした。6月19日には那須塩原市埼玉の黒磯北中の敷地内で、クマのものとみられるふんが見つかった。

 同課によると、県内のツキノワグマの生息数は推定461頭。那須、那須塩原、矢板、塩谷、日光、鹿沼、栃木、佐野、足利の9市町に生息しているとされ、他市町に現れることもあるという。同課は本年度、この9市町の小中学校やビジターセンターなど343カ所にチラシ1800枚を配布するなどして注意喚起している。

 同課は「クマは基本的に臆病な動物」と指摘。「1人での行動は避け、鈴や笛、ラジオなど音で存在を知らせるなどして、まずは近づかせないよう努めてほしい。目撃例が多い朝夕は、特に注意が必要」としている。