候補者の訴えに聞き入る支持者ら=4日午後7時半、宇都宮市江野町(画像は一部加工しています)

 「令和」最初の国政選挙となる参院選が4日、公示された。「年金はどうなるのか」「消費増税は仕方ない」。県内の有権者からは、主要争点に急浮上した老後資金など暮らしに直結する政策のほか、憲法改正などを重視する声も聞かれた。安倍政権の「これまで」の審判となる選挙戦。有権者の判断へとつながる論戦が幕を開けた。

 妻と買い物中だった日光市鬼怒川温泉大原、無職金子賢司(かねこけんじ)さん(68)は、重視する争点に「年金問題」を真っ先に挙げた。脳裏にあるのは「老後資金2千万円問題」だ。

 年金を受給し生活する中で、気になるのは少子化と、次世代の人たち。「若い人も年金がきちんともらえるように、何か方法を考えないといけない。でないとかわいそうだ」

 上三川町西汗(にしふざかし)、自営業見當恵(みとうめぐみ)さん(40)は生後6カ月の長女の母。自分たちだけでなく、子どもの将来にも漠然とした不安がある。「今後の若い世代の老後がどうなるか気になる」と明かす。

 年金問題など、政府の説明はあいまいで分かりにくく、都合の悪いことは隠すような体質と感じている。「みんなが理解しやすい言葉で政治を浸透させてほしい」と求めた。

 安倍晋三(あべしんぞう)首相が意欲を見せる憲法改正。小山市東城南1丁目、自営業渡辺利幸(わたなべとしゆき)さん(66)は「憲法改正はしてほしくない」と反対の立場だ。国民への説明が不足していると感じる。

 参院選への期待感は薄い。「自民党に代わる野党が出てくれば期待も持てるが、現状ではそういった野党がいないのが残念だ」

 大田原市のトコトコ大田原に、3歳の長女と訪れていた那須塩原市、医療事務国分(こくぶん)さやかさん(30)は仕事と子育てでゆっくりニュースを見る時間が取れず「(参院選に)興味を持てていない」と漏らす。

 子どものことを考え「子育てに関する政策を重視したい」。10%への消費税増税は「仕方がないかな」。ただ「子ども用のオムツが8%のままになったらいいな」というのも本音だ。

 午後7時、東武宇都宮駅前で始まった新人候補の出陣式。宇都宮市鶴田町、宇都宮北高3年加藤舜(かとうしゅん)さん(18)は、帰宅途中にたまたま通り掛かった。

 有権者となり今回が初の選挙。「自分たちのような若い世代が1票を投じないと、変わらないと思っている」。どんな人が立候補しているのかも、まだ分からない。「投票に向けてインターネットを使って情報を集めたい」と話し、演説には足を止めず自転車で家路を急いだ。