配偶者らからの暴力であるドメスティック・バイオレンス(DV)。説明がいらないくらい、この言葉は知られるようになった。その陰で、被害者支援に奔走してきた小山市の認定NPO法人が、スタッフの高齢化と後継者難を理由に解散した▼「サバイバルネット・ライフ」。代表の仲村久代(なかむらひさよ)さんは71歳。夫の転勤に伴い、引っ越してきた専業主婦だった。きゃしゃな体で、被害者をかくまい、相談に乗り、求めがあれば夜中でも正月でも飛んでいった▼22年間に及ぶ活動の原動力は、心身共に傷ついた女性たちを「放っておけない」の一言に尽きる。駆け込み寺であるシェルターと、退去後の居場所や就職先が決まるまで滞在できる中間施設も用意し、支えてきた▼資金難でシェルターは4年前、中間施設は昨年閉鎖した。全国でも民間シェルターの閉鎖が相次ぐ。米国などと違い、日本では企業からの寄付が集まりにくい。使命感と熱意だけでは続けられない▼2001年にDV防止法ができ、県のほか4市が配偶者暴力相談支援センターを設けるなど、行政による支援は拡大した。「ほっとしている面はある」と仲村さん▼だが内容は十分ではない。被害者一人一人に寄り添ったきめ細かな支援ができるのが民間の良さでもある。こうした活動を必要とする人たちは、まだまだいる。