国内初の報告例となるキジラミ類の化石(提供写真)

 那須塩原市の約30万年前の地層で見つかった昆虫化石が国内初報告となるキジラミ類だとする研究結果を、東京学芸大の佐藤(さとう)たまき准教授(古生物学)らのグループが27日までに日本古生物学会で発表した。キジラミ類は微小で羽が薄いため、甲虫と比べ化石として残りにくい。保存状態の良さからも「貴重な標本」としている。

 化石は、2016年ごろに同市中塩原の「木の葉化石園」の更新世の地層から発掘された。体長3・7ミリで、淡い黄色の羽にはくっきりとした翅脈(しみゃく)も確認できる。

 研究は、佐藤准教授が指導した今春の同大卒業生堀口藍花(ほりぐちあいか)さんの卒業論文が基になった。卒論では種が判明していなかったが、昆虫や化石園などに詳しい専門家3人の協力により、現在も生息する「トドキジラミ」と同定した。今後、学術論文としてまとめる予定。

 昨年秋に現地を確認した佐藤准教授は「那須塩原は昆虫や木の葉の化石で有名だが、種を同定するなどの学術的な研究は進んでいない」と指摘。だが、昆虫化石の中には翅脈まではっきり分かるほど保存状態が良いものが多いため「さらに新発見が期待できる」という。