国の要請に応じなくても違法ではない。それにペナルティーを科すことこそ法に反する-。そんな論法で、ふるさと納税が「国地方係争処理委員会」に持ち込まれた▼モラル的に疑義がある返礼品で巨額の寄付を得た大阪府泉佐野市が、制度から排除した総務省を訴えた形だ。係争委は9月9日までに違法かどうかを判断し勧告する。ふるさと納税は4年前、手続きなどが簡便になり急激に増大、返礼品競争も過熱した▼業を煮やした総務省が荒療治に出る。6月から返礼品は地場産に限り、調達費は寄付額の30%以下に抑えることを法定化。それまでに是正要求を無視した同市など計4市町を除外し、寄付をしても税制優遇を受けられなくした▼確かに泉佐野市はやり過ぎた。2018年度にはネット通販のギフト券などを見返りに前年度の一般会計予算を上回る全国最多の約497億円も集めたのは度を越していたと言わざるを得ない▼地方側には、首相官邸に対する官僚のように理不尽でも服従せねばならぬいわれはない。国との関係は地方分権改革で「上下・主従」から「対等・協力」になっている▼係争委は、その分権改革で置かれた第三者機関だ。双方に言い分はあるが、ふるさと納税制度の健全性を担保しつつ、地方の自立や創意工夫を妨げない目配りの効いた勧告を望む。