県民パレードの集会で加藤氏(左から2人目)の支持を呼び掛ける県内野党の幹部ら=15日午後、宇都宮城址公園

 降りしきる雨とは対照的に、訴えは熱を帯びた。

 「今の政権はあまりにも生活から離れている。何としても止めなくてはいけない」。15日午後、宇都宮市内で開かれた県民パレードの集会。立憲民主党新人の加藤千穂(かとうちほ)氏(43)は、「老後資金2千万円問題」をやり玉に挙げ、政権の姿勢を痛烈に批判した。

 集会で共に顔を並べたのは、国民民主、共産、社民、新社会の各党の県組織幹部たち。その5日前、加藤氏を野党統一候補とする政策協定を結んだばかりだった。

 立民が加藤氏を擁立したのは昨年10月。全国に32ある1人区のうち、最初の公認候補となった。野党の一本化は5月とずれ込んだものの、立民県連の松井正一(まついしょういち)幹事長は「しっかり準備ができて、支援の輪を広げることができた」と前向きに受け止める。

 この半年、加藤氏は支援団体へのあいさつ回りやミニ集会などを精力的にこなし、街頭演説は300回を超えた。無党派層や若者向けに会員制交流サイト(SNS)も駆使。「20年先も。つながる栃木」をキーワードに若さをアピールするほか、15年間の衆院議員秘書の経験や女性の視点で政策を訴えてきた。

 陣営が特に力を入れるのは投票率の向上だ。リーフレットの表紙には「投票率10%アップ」と記し、街頭でも有権者に呼び掛ける。低投票率は組織力で勝る自民党に有利とされるだけに、投票率向上で無党派層の支持を集め得票の上積みを図る。

 2016年参院選に続く野党共闘だが、政党公認の加藤氏を囲む態勢は異なる様相を見せる。前回は無所属候補を各党が推薦。今回、国民、共産などは支持にとどめた。選挙対策本部も、従来の国政選挙のように政党と連合栃木が合同で組織するのではなく、各選対が緩やかに連携する形を取っている。

 旧民進党が分裂した影響も影を落とす。立民、国民の支援母体・連合栃木は今回、選挙区と比例で別の政党を支援することを余儀なくされている。股裂き状態は否めず、ある産別労組の幹部は「比例で組織内候補を抱える産別は、他党の候補者も応援する余裕はないのではないか」と明かす。

 北海道出身の加藤氏にとって知名度不足も依然として課題。引き続き支持基盤を固めながら、今後は街頭活動やSNSをさらに活用し、露出を高める作戦だ。

 「やっと態勢が整い、これからが勝負」と陣営幹部。公示前に少しでも差を縮め、9年ぶりの議席奪還を狙う。