県内で今年、住宅から1千万円以上の現金が盗まれる事件が相次いでいる。4月に小山市で、5月には宇都宮市と大田原市で被害があった。いずれも留守の間に家の中を荒らされており、中には短時間の外出中に侵入されたケースも。捜査関係者は「多額の金品が家にある人の情報が出回っている可能性もある」と懸念する。県警は多額窃盗事件として捜査するとともに、注意を呼び掛けている。

 「犯人は留守になるのを知っていたのではないか」。被害に遭った一人の80代男性は、事件をこう受け止める。当日は週数回通うデイサービスの日で、不在だった時間に自宅へ侵入された。家の中は隅々まで荒らされ「犯行が、かなり大胆だと思った」と振り返る。

 盗まれた現金は「何年もかけてためたお金」。周囲に話はしていないという。男性は「犯人が許せない」と語る一方、「帰宅し鉢合わせでもしていたら、殺されたかもしれない。そう思うと怖い」と打ち明けた。

 県警によると、被害は大田原市の住宅で現金約1750万円、宇都宮市の住宅で約5千万円、小山市の住宅で約3千万円。金庫などに保管されていたという。いずれも留守中に窓ガラスを割られたり、アルミサッシをこじ開けられたりして侵入されていた。中には、約1時間半の外出中に被害に遭ったケースもあった。手口などに関連性はなく、同一犯の可能性は低いとみられる。

 捜査関係者は「短期間でこれだけ(多額窃盗事件が)発生するのは不気味」と漏らす。「過去には暴力団関係者の情報提供を基に強盗事件が相次いだこともある」と指摘し、多額の金品を持つ住民の情報が出回っている可能性を口にした。

 県警は捜査を続ける一方、「家に多額の金品を置かず、金融機関や貸金庫に預けてほしい」と訴えている。また防犯カメラやセンサーライトの設置など防犯対策も呼び掛けている。