手すき和紙の粘材として使われるトロロアオイ=19日午後、那須烏山市小原沢

 手すき和紙の粘材として使われる植物「トロロアオイ」の生産が減少し、那須烏山市特産の「烏山和紙」を手掛ける業者が対応に苦慮している。生産量で全国の9割を占める茨城県小美玉(おみたま)市で、高齢化などから生産存続が危ぶまれており、烏山和紙業者は「茨城県での作付けが止まる前に、地元で生産する仕組みをつくらないと」と危機感を募らせている。

 那須烏山市内で唯一烏山和紙を手掛ける福田製紙所(同市中央2丁目)は、年間6万枚以上の和紙を生産し、県内外の学校約130校の卒業証書のほか、財布や住宅の装飾など多種多様な和紙製品を作っている。和紙は「山あげ祭」の野外舞台の背景画となる「はりか山」にも使われている。

 トロロアオイの根から取れる粘液は、手すき和紙の繊維を均一にする添加剤として使われる。同社はこれまで、全て小美玉市産のトロロアオイを使用してきたが、今年3月、生産者側から「作付けを来年でやめることを検討しており、再来年の出荷は厳しい」という趣旨の通知が届いた。

 同社によると、ここ数年は希望した数量が手に入らなかったため不安はあったが、今回の通知の内容に大きな衝撃を受けた。