7月21日投開票が有力視される夏の参院選まで1カ月を切った。安倍晋三(あべしんぞう)首相が衆参同日選見送りの考えを表明し、単独実施される見通しだ。栃木選挙区(改選数1)には、再選を目指す自民党現職の高橋克法(たかはしかつのり)氏(61)、野党統一候補で立憲民主党新人の加藤千穂(かとうちほ)氏(43)、政治団体「NHKから国民を守る党」新人の町田紀光(まちだとしみつ)氏(40)の3人が立候補を表明している。参院選の勝敗を左右するとされる「1人区」。繰り広げられる前哨戦の攻防を追う。

 自民現職に野党統一候補の新人が挑むのは、前回2016年参院選と同じ構図だ。事実上の一騎打ちで、与野党全面対決となる見通し。定数減により1人区となって5回目の選挙で、直近3回は自民公認候補が野党候補を退けており、3勝1敗となっている。

 全国32ある1人区は、与野党ともに重視。特に今回、自民は各選挙区を「激戦区」「警戒区」「安定区」の三つに分類して戦略を練り、本選挙区は安定区として戦いを進める。一方、立民など野党は「打倒安倍政権」を掲げ、全ての1人区で候補予定者の一本化を決定した。

 高橋氏陣営は5月中旬、早々に事務所開きを行った後、選挙対策本部を設置。県内の党支部と選対支部で連日、計28回の総決起大会を開催するなど着々と足場固めを進める。県議、高根沢町長から国会議員となり、国土交通政務官などを務めた政治家としての実績を強く訴えている。ただ、「相手候補がどこまで票を伸ばすかが未知数」(陣営幹部)と警戒感は強い。

 一方、昨年10月に立候補を表明した元国会議員秘書の加藤氏。今年5月下旬にようやく統一候補としての擁立が決定し、立民、国民民主、共産など県内5野党や市民団体と政策協定を結んだ。出遅れ感はあるが、陣営は「短期集中決戦と捉える」として、ネット活用や街頭活動にも力を入れ、経験や若さをアピール。知名度向上と、女性・無党派層への浸透を図る。

 今月中旬に立候補を表明した町田氏は、NHK受信料契約の改善などを訴える。選挙事務所の開設予定はなく、インターネット動画やSNSで情報発信していくという。

 参院選の主な争点は、6年半に及ぶ安倍政権の評価をはじめ、憲法改正や10月予定の消費税率8%から10%への引き上げ、金融庁の報告書に端を発した年金問題などで論争になりそうだ。