「本日終了」と書かれた看板だけがかかり、門が閉じられたままの「花の山」

春に美しい花で来場者を楽しませていた「花の山」=昨年4月

「本日終了」と書かれた看板だけがかかり、門が閉じられたままの「花の山」 春に美しい花で来場者を楽しませていた「花の山」=昨年4月

 【茂木】逆川地区の人気観光スポットだった小山の花木園「花の山」が、運営会社社長の死去などに伴い、後継者不明のまま閉鎖された状態が続いている。今春の花の季節には閉鎖を知らない客が多数訪れ、町などに問い合わせが殺到する事態になった。再開の見通しは立たず、園は宙に浮いたまま。町南部の観光拠点として期待をかけていた町は頭を悩ませている。

 同園は約11万5千平方メートルの丘陵地にサクラやモモ、レンギョウ、ユキヤナギなどが咲く花木園。米菓「がんこ職人」などの製造を手掛けていた「もめん弥」の当時の社長が個人的に60人余りの出資者を募り、約7千万円の資本金で「花の山」を設立、2003年4月に開園した。

 しかし社長が昨年5月1日に75歳で死去して運営責任の所在があいまいに。町によると昨年のゴールデンウイーク明けごろから入り口を閉じ「本日終了」と表示するだけで、今年は開園していないという。「閉園」などと明示はされず、各種観光案内サイトにも記事が残っているため、園の入り口で客が諦めて帰るケースが後を絶たなかった。

 町には問い合わせが殺到したが詳しい情報はなく、「経営者が亡くなり、開園できていないようだ」などと答えてしのいだ。

 運営会社の大株主は約1千万円を出資していた社長と「もめん弥」だったが、もめん弥は今年4月1日に日光市の会社の傘下に入り、新会社「もめん弥」(栃木市西方町真名子)として菓子事業の再生を図っている。同社の永井洋(ながいひろし)専務(55)は死去した前社長の娘婿だが、養子となっていないため相続権はないという。

 永井専務は「私は旧もめん弥の役員だったが、花の山の事業では前社長しか動いていない。前社長の死去後、花の山は株主総会も役員会も開いていないのではないか。義父が関わったことなので何とかしたいと思うが、もめん弥の支配下になく、株主でもない私には権限がない」と話した。

 町は春の1カ月で約8千人が訪れる花の山を、ミツマタ群生地などとともに逆川地区の観光拠点の一つに期待していた。古口達也(こぐちたつや)町長は「町としては園を維持してほしいが、あと1年放置すれば花木は駄目になる」と焦りを募らせている。