県内のバラの名所に、真岡市の井頭公園のバラ園がある。約300種2千株の美しい花が咲き誇る様子は、見事の一言に尽きる。今年はやや盛りは過ぎたが遅咲きのバラもあり、まだまだ楽しめそうだ▼日本ではとげのある木の総称である「いばら」から転じた語で、後に中国から伝来した「薔薇」を指すようになったという。「さうび」と呼び、源氏物語や枕草子にも登場する▼毎年5月の第2日曜日に当たる「母の日」にカーネーションを贈る習慣があるのは広く知られている。では6月第3日曜日、今年は16日となる「父の日」の花が、バラなのをご存じだろうか▼1910年に米国の女性の提唱で始まった慣習で、亡き父の墓前に白いバラを供えたことにちなんでいる。近年、日本でも父の日は定着しつつあるが、バラを贈るのはもらう方も含め、恋人同士みたいで少々照れくさい▼東武宇都宮百貨店の担当者によれば、贈り物として例年人気があるのはポロシャツやお酒。今年の変わり種は男性用の日傘だとか。父の日ギフトのニーズは母の日に比べ、半分ほどという。世の父親は何とも複雑である▼だが、多くの父親は子どもや家族らからのねぎらいの言葉だけで十分に満足するに違いない。亡くなるなどで父親がいない人にとっても、感謝の思いを新たにする日でありたい。