【真岡】東大島地区でこのほど、田植え後に労をねぎらい、五穀豊穣(ほうじょう)などを祈る行事「早苗饗(さなぶり)」が20年ぶりに行われた。農業の機械化に伴い次第に行われなくなっていたが、農家同士で手を携えようと復活。参加者は古き時代に思いを巡らせ、自然の恵みに感謝しながらうたげを楽しんだ。
同地区の細島鉄夫(ほそしまてつお)さん(64)によると、かつて手植えが田植えの基本だった時代は農家同士で農作業を手伝い合い、終了後には互いの労をねぎらう目的で早苗饗を行っていた。当時を知る農家は「満足に物も食べられず、大きな楽しみもない中、語らいながら食卓を囲む早苗饗が唯一の楽しみだった」と話す。