「日本の夢の洋館」

 宇都宮市出身の直木賞作家門井慶喜(かどいよしのぶ)さんが洋館の魅力を語る豪華写真集「日本の夢の洋館」が、建築書出版社・エクスナレッジから発行された。

 明治維新以降、西洋からもたらされた洋館は日本近代史を物語る「証人」ともいえる。歴史小説を執筆し建築マニアとしても知られる門井さんが、洋館の傑作を巡りながらユーモアを交えて解説する。撮影は、写真家枦木功(はしのきいさお)さん。

 旧帝国図書館(明治期)、大阪市中央公会堂(大正期)、築地本願寺(昭和期)など時代ごとに分類した計30件を取り上げた。本県関係では、栃木市出身の文豪山本有三(やまもとゆうぞう)が暮らした旧山本有三邸(東京都三鷹市)を紹介。大谷石を生かしたモダンな意匠の洋館は有三の生涯や作品を展示する記念館として親しまれている。

 新1万円札に採用される渋沢栄一(しぶさわえいいち)が所有した洋風茶室「晩香廬(ばんこうろ)」と鉄筋コンクリート造りの書庫「青淵文庫(せいえんぶんこ)」は東京都北区の飛鳥公園内に所在する。「長生きというのは、するものですね。明治・大正期の実業家である渋沢栄一は、晩年、ふたつの建物をプレゼントされました」。門井さんは柔らかな口語体で案内を始め、読者は一緒に洋館巡りを楽しむ気分を味わえる。

 A4判、192ページ、4104円。