先日、広島市内で開かれた日本新聞協会の会合の冒頭、地元新聞社のあいさつは振るっていた。「昨年の広島県のシティーホテル稼働率は全国一です」▼調べると稼働率は85%。旅館なども含めた全体では67%だが、それでも全国7位だった。世界遺産の原爆ドーム、厳島神社を中心とした観光集客が好調で、外国人宿泊者は121万人と前年から3割増えているという▼同時期の本県のシティーホテル稼働率が65%で42位、全体では53%の32位。外国人宿泊者もほぼ横ばいの22万人と伸び悩む。広島とは対照的だ▼会合では写真家村上宏治(むらかみこうじ)さんが、魅力を発信し続ける瀬戸内海の楽しみ方をいくつか例示してくれた。その中で目的地そのものよりそこに至る経過、つまり旅路を重視する人がいて、外国人はこの傾向が強いとの紹介があった▼本県に応用するにはどうしたらいいか尋ねると、挙げたのは自然の活用だった。地元の人が見落としている自然の良さを再発見、アピールし、複数日滞在するきっかけとすべきだという。さらに「意外に外国人は、おもてなしを嫌うんですよ」と教えてくれた▼村上氏の指摘を、そのまま本県に当てはめるのは難しいかもしれない。だが観光立県を目指す中で、宿泊客の増加は重要な課題となっている。何とか前進するための参考にならないものか。