日本列島は南北に長く、地形も複雑なため、地球温暖化など気候変動の影響は、地域によってさまざまだ。地域に根差した適応策を進めるためには、何が必要か。下野新聞社が実施した47都道府県アンケートなどを通して、「地方」が果たすべき役割を探った。

人材、情報収集が課題 予算含め国支援求める

 気候変動適応法に基づく取り組みの現状などを各都道府県へ聞いた下野新聞社のアンケート結果からは、各自治体の苦悩も浮かんだ。

 「専門的な人材の確保が困難」「体制づくりに時間がかかる」。都道府県の9割が地域気候変動適応計画を策定する意向を示すなど適応への意識は広がっているものの、具体的な対策の実施には課題が少なくないのが実情だ。

 「専門家の派遣を含め、国から技術的な支援が必要」(香川県)。自治体の多くが適応策を進める上での課題に「気候変動の影響を分析できる専門性のある人材の確保」などを挙げ、国の支援を求める意見もあった。山梨県などは「適応に関する情報提供など、国からの支援がほしい」と訴えた。

 アンケートでは、策定済みも含め適応計画の策定に前向きなのは44都道府県に上った。一方で気候変動の影響に関する情報収集や分析を担う地域気候変動適応センターを設置済みなのは10県だった。

 設置を未定とした北海道は「庁内関係部局や研究機関、関係団体と連携体制の確保」が必要と受け止める。同様に未定の長崎県は「関係機関との役割分担など、体制づくりのための調整や検討に時間を要する」と打ち明けた。

 既存の環境研究機関の中にセンターを設置した自治体が目立つが、熊本県などは「県内に単独で設置できる機関がない」。宮崎県は「センターの設置に関する国からの予算措置がなく、限られた予算の範囲内での取り組みに限界がある」と指摘した。

 適応計画の策定に関しても悩む声が上がる。奈良県は「計画策定のための知識が不足している」と本音を漏らし、兵庫県は「目標の設定や適応策の効果を評価することが困難」と課題を示した。