2月の初午(はつうま)の日を中心に郷土料理として親しまれるしもつかれ。家族経営の町工場が袋詰めで製造を始めたのは1967年だ。この時季は午前5時から作業の日々が続く。

 「当初の味を変えないことが誇り」と、3代目社長の大関保夫(おおぜきやすお)さん(62)。前社長で父の敏雄(としお)さん(93)が郷土愛を込めたレシピを守る。

 高齢者の健康に配慮した薄味が基本。素材もこだわり、サケの頭は北海道から、酒かすは京都の酒造会社から仕入れる。

 調理に使うのは容量150キロの巨大な釜5個。サケの頭は、約1200個を一度に6時間程度煮る。脂を一部除き、特有の生臭さを抑える工夫もする。蒸気釜の使用は加熱の速さと均等さが理由で、加熱の蒸気量は湯気を見て調整する。職人技は、敏雄さん、保夫さんを経て、保夫さんの長男賢一(けんいち)さん(29)に引き継がれた。

 「カレー味などアレンジを勧められたが、うちはこれだけ」と保夫さん。薄味の中に確かなこくがあり、すくうスプーンの手が止まらない。スーパーを中心に、1袋税込み400円前後で販売される。

 「家族の温かさを届けたい」という保夫さんの表情に、郷土の食を支える自信を感じた。

 ◆メモ 宇都宮市塙田3の5の15▽直販はないが、北関東や埼玉県のスーパーなどで販売。ネット通販も可能▽(問)028・621・3930