1964年、宇都宮市新里町の20人が2ヘクタールに約400本のユズを植えた。初めて実がなったのは10年後。寒さに耐え肉厚になった果皮は香りが強く、健康成分もたっぷり。「宮ゆず」と命名された新里町産ユズは、都内の料亭に出荷が続くブランドになった。

 ユズ生産者の一人「床井柚子(ゆず)園」2代目の床井光雄(とこいみつお)さん(64)と同市の菓子製造販売業「若山商店」が提携して生まれたのが、「ゆず羊(よう)かん」だ。ヒントとなったのが、料亭で人気の「ゆず釜」。果実をくり抜き、果皮にカズノコなどを詰めた料理だ。

 「ゆず羊かん」では、くり抜かれた果実を羊かんに加工、甘露煮で軟らかくした果皮に流し込む。添加物や香料は一切使わないという。黄金色をめでながら、小分けした一切れを味わうと、里山のユズの香りが口いっぱいに広がり、「宮ゆず」独特の滋味が甘さを引き立てる。

 同社の若山恭三(わかやまきょうぞう)専務(42)は「果皮の煮方など試行錯誤の連続だった」と語るが、1個648円(税込み)で年間約5千個販売の人気商品に成長した。

 2人は「『宮ゆず』で『ゆず羊かん』を超す人気商品を開発したい」。進取の精神は続く。

 ◆メモ 宇都宮市中戸祭1の13の23▽営業時間 午前10時~午後6時▽日曜、祝日定休▽(問)028・622・3855。