静かな住宅地の一角に建つ、フランスの田舎にある民家を思わせる白壁の店。子育て中の店主横山由美(よこやまゆみ)さん(50)が「子どもに作って食べさせたい」と思う季節のお菓子を、丁寧に作っている。

 横山さんは、フランスの伝統菓子のとりこになり、都内の師匠の元に2年通い修業後、32歳で単身渡仏。パリ近郊の小さな町のサロン・ド・テ(喫茶店)で半年間働きながら、菓子作りを学んだ。作るのは主に、フランスの家庭に根付いた季節の焼き菓子だ。

 今ならカキやブドウ、リンゴなどが使われるタルト(税込み270円)は、旬を強く意識し、果物は市貝産を中心に年間10種程度を使い分ける。香りが良い発酵バターに北海道産の無農薬の小麦粉、平飼いの安心な鶏卵、砂糖はてんさい糖と、素材選びも慎重だ。程よい甘さで後味はすっきりしていて、飽きがこない。

 開業10年。店を開けるのは週3日と子育て優先の経営だったが、子どもの成長に合わせ「もう少しお菓子作りに時間を割きたい」と意欲を見せている。

 ◆メモ 市貝町上根751の16▽営業時間 水、木、金曜の午前11時~閉店時間は日による▽(問)0285・68・5355。