無印良品の家具や雑貨をそろえ、東京・銀座に4月、開業した「MUJI HOTEL GINZA」。お茶や酒を楽しめる「サロン」では、無印良品ではなく、ことし誕生した益子焼の新ブランドのカップや皿が主に使われている▼「BOTE&SUTTO(ボテ&スット)」。濱田庄司(はまだしょうじ)以降、益子町には多くの作家が集まり、作風も多様になった。益子焼とは何かを見つめ直し、芯が一本通ったものを創って発信しようと、プロジェクトは始まった▼町が音頭を取り、複数の窯元が加わって試行錯誤を繰り返した。出来上がった36品目は、シンプルかつモダン。伝統的な黒と白の釉薬(ゆうやく)を使い、ろくろで作っているから一つ一つ微妙に風合いが違う▼加えてボテッとした質感は、確かに益子焼だと納得させられる。プロジェクトに参加した窯元の濱田友緒(はまだともお)さん(52)は「大きさや形は同じでも、並べると生き生きとした柔らかみが出る」と魅力を語る▼ホテルの広報担当者は「すっきりとしたデザイン、食材が引き立つ釉薬の色合いがすんなりなじむ」と採用理由を話す。サロンは宿泊者でなくても利用できるという▼「感じ良いくらし」をコンセプトに、世界に広がる無印良品。その話題のホテルで高評価を得た。海外を見据える益子焼にとって、新たなステップとなることを期待したい。