夏の参院選に合わせ、衆院選を行う「衆参同日選論」がくすぶり続けている。次期衆院選に立候補を予定している県内の現職、新人陣営は同日選をにらみ、選挙事務所の確保などに入っている。一方、選挙事務を担う各選挙管理委員会は「同日選になれば作業も煩雑化し、混乱も生じかねない」と神経をとがらせる。

 「解散風が強まり、同日選の可能性は50%を超えたのではないか」。自民党現職衆院議員の事務所関係者は、国会会期延長の可能性が浮上したことなどを挙げ、そう指摘する。「選挙事務所の場所は押さえられた。これからリーフレット作製や、同日選用の選挙態勢づくりも考えなければならない」

 立憲民主党の関係者は「各候補とも、いつ解散になってもいいように準備をしている。野党一本化が実現した参院選と一緒に動いていくことで、相乗効果を期待する」と力を込めた。

 一方で、各選管は同日選の行方に気をもむ。衆参同日選は1980年と86年の2回行われているが、県選管は「当時は中選挙区の時代で期日前投票もなかった。さまざまな点で新たな対応が必要になる」という。

 現行の選挙制度で参院選は選挙区と比例代表の2種類、衆院選では小選挙区と比例代表に加え、最高裁裁判官の国民審査の3種類の投票がある。このため、各選管が課題の一つに挙げるのが投票箱の不足。参院選だけであれば投票箱は2個で済むが、同日選は投票所1カ所につき5個必要になる計算だ。

 宇都宮市選管では投開票日当日と期日前を合わせ、計600個の投票箱が必要になるが、約20個足りない。担当者は「同日選が決まってから発注しても間に合わない可能性がある。衆参で期日前投票の開始日が異なるため、有権者に混乱が生じかねない。周知方法や、人員の確保など懸念材料は多い」と話す。

 現時点では同日選について、注視するしかない状況。別の選管担当者は「前例のない選挙になるのだから、早くはっきりしてほしい」とこぼした。