ランドセルや学校の名簿は男女別でないのが主流になった。体操着も男女兼用が増えた。子どもたちが性の固定観念にとらわれず、伸び伸びと生きられるからだ▼県内の性的少数者(LGBT)の当事者や家族らの団体「S-PEC(エスペック)」が、全ての中学と高校で誰もが性別に関係なく制服のスカート、ズボンを選べる制度を求め、署名活動を行っている。近く、福田富一(ふくだとみかず)知事宛てに提出する▼団体が開く交流会で、制服は必ず話題に上る。心は男の子なのにスカートをはかざるを得ず、カミングアウトしなければズボンにできない。「苦痛で学校に行けない子もいる」と団体の代表。知事に手紙を書こうと考えた▼「ならばインターネットで署名活動をしよう」と、高校生ら若い世代が初めて先頭に立った。集まった署名は1600を超えた。実体験に基づいた思いも直接、知事に届けたいと考えている▼多様な性の理解が深まり、中野区は本年度から、全区立中で女子が制服を選べるようにした。学校の裁量だったが、区長が全校長に提案して協議してもらい、区全体で行うことで合意を得た▼在学期間はわずか3年。当事者には、各学校で議論が進み、選択制が広まるのを待つ時間はない。区長のようなトップの決断と行動が、一人でも多くの子どもを救うのではないか。