県は本年度から、水田の地下に整備された排水管を活用し、用水路から水田へ水を供給する「栃木県型地下かんがいシステム」の実証事業に乗り出した。水田で露地野菜を栽培する際に、この排水管を通して給水すれば水管理の省力化が狙える。今後はシステムの有用性などを調査し、園芸大国とちぎづくりに向け、水田を活用した露地野菜の生産拡大につなげたい考えだ。

 同システムでは、排水性が悪い水田の地下に整備されている排水設備「暗きょ排水」の一部を改良し、水田の排水だけでなく、給水もできるようにする。システムに取り付けられた調整器を操作すれば、栽培する作物に適した給水が可能だ。既存の排水管を活用したシステムのため、コストも抑えられる。

 収量や品質などへの影響を調べる実証は県内1カ所の農地で実施する。場所は公募し、2021年度まで実証試験を継続していく予定。

 県農地整備課の担当者は「コメの生産より野菜は手間がかかりやすい」と説明する。このシステムを活用すれば、地表から給水するよりも「水の管理がしやすくなり作業の省力化が狙える。水田で野菜を作るハードルも低くなると思う。ぜひ園芸振興に役立てていきたい」と話した。

 同課によると、県が主体となって整備した農地の面積のうち、暗きょ排水が地下にある水田の面積は県内で約7500ヘクタール。水田の状態などによっては、同システムが適応できない場合もあるという。