高野さん方の水田で実施された献上米の収穫祭の様子=2018年9月、益子町東田井

 11月の大嘗祭(だいじょうさい)で使うコメの産地が今月13日、本県に決まった。本県は例年、新嘗祭(にいなめさい)へ穀物を献上しており、関係者によると献上米の扱いは通常のコメと異なるという。コメを作る水田「斎田(さいでん)」の選定を含め、献上米作りに注目が集まっている。

 JA栃木中央会などによると、新嘗祭には例年、本県からコメやアワを献上している。栽培は毎年県内JAが持ち回りで担当する。今年はJAなす南管内で準備が進められている。

 昨年度、献上するコメを育てた益子町東田井、農業高野美晴(たかのみはる)さん(69)は「無事に献上できてほっとした」と振り返る。2017年1月ごろに依頼され、種まき、田植え、稲刈りは全て手作業で取り組んだ。「水田内に祭殿を設け、神事を執り行ってから各作業に入った」という。

 18年の夏は台風が多く「通常ならば張らない、防風ネットを水田に張り巡らせた」と高野さん。風や雨の影響でイネが倒れてしまうと品質が落ちるためだ。「献上するコメなので大切に育てた」。収穫後の同10月、精米した献上米をきり箱に入れ、県内の農業関係者と共に皇居へ出向いて「1升ぐらい」を献上した。

 平成の大嘗祭(1990年)では秋田県で収穫されたコメ「あきたこまち」が使われた。全国的にこの名前が広まるきっかけとなったことから、県内の農業関係者は県産米の知名度向上に期待を寄せる。

 今後は、県内の農業団体などが斎田の選定など準備を進めていく。大嘗祭の斎田の所有者「太田主(おおたぬし)」は未定。高野さんは「プレッシャーもあると思うが、ぜひおいしいコメを作ってほしい」とエールを送った。