那珂川は天然アユの遡上(そじょう)が日本有数といわれる。大田原市の県なかがわ水遊園では、そうした地域色を反映し、名物「アユのぼり」200匹が薫風を受けて優雅に泳いでいる▼関東で一番早くアユ釣りが解禁となるのは思川で、今年は19日だった。渇水の影響が心配されたもののアユの成育は上々という。思川を除く県内河川のアユ解禁は例年6月に入ってからだが、今年から鬼怒川が5月に前倒しとなり、26日に解禁される▼県漁業協同組合連合会が、アユ冷水病やカワウの食害対策として前倒しを進め、まず鬼怒川の条件がそろった。釣果にどんな効果があるか、釣り人の関心は高い▼県内河川に放流するアユ稚魚の大半は、下野市の連合会種苗センターで生産されている。9月過ぎに採卵し、受精させて10日ほどでふ化した稚魚を4カ月間、飼育池の人工海水で育てる。1月には5センチほどに育ち養殖業者に出荷される▼放流用の稚魚はかつて琵琶湖産を使っていたが、絶対量が足りず県内産に切り替わった。種苗センターは昨年から奈良、鹿児島両県のダム陸封型アユを掛け合わせたハイブリッド系の人工種苗の導入を始めた。良く釣れ、冷水病に強いと期待されている▼アユ釣り客の減少が続いている。解禁前倒しや新たな品種導入で人気が回復すれば、地域も活性化するはずだ。