「斜転」の演技を披露する宇都宮大助教の松浦=15日午後、宇都宮大

 金属製の2本の輪を平行につないだ器具を全身で操る体操競技「ラート」の選手で宇都宮大教育学部助教の松浦佑希(まつうらゆうき)(28)が4月、秋田県内で開催された国別対抗の団体戦「第9回世界ラートチームカップ」に日本代表チームとして出場し、準優勝に輝いた。競技歴8年で国内大会5度の総合優勝を誇る日本のエースは「子どもも障害者も楽しめる魅力を伝えたい」と競技の普及を目指している。

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 2年に1度開かれるチームカップは、前年の世界選手権団体戦の上位4カ国の代表選手が4人1組で出場する。輪を前後に回転する「直転」、斜めに傾けて回る「斜転」、輪の上から宙返りなどをする「跳躍」の3種目で、技の美しさなどを競う。

 アジア初開催となった秋田大会は4月21日に開かれ、日本とドイツ、オランダ、スイスが参加。松浦は跳躍に出場し「女子でできるのは私だけ」(松浦)という高難度の「後方伸身宙返り2回ひねり」を決めてチームの準優勝に貢献した。

 ラートとの出合いは19歳。選手の育成に力を注ぐ筑波大の卒業生チームが、イベントで披露した演技にくぎ付けとなった。2歳半から始めた体操競技で培った体幹や筋力が生かせるのも魅力で、同大進学後の20歳から本格的に打ち込んだ。

 国内大会で優勝を繰り返し、日本代表の常連に。次の目標はまだ手にしていない世界選手権種目別跳躍の優勝だ。「今回のチームカップでの演技ができれば夢じゃない」と意気込む。

 日本ラート協会によると、国内の競技人口は約500人。知名度は高くないのが現状という。4月に宇都宮大へ赴任し、保健体育分野でダンスや体操などを指導する松浦は「生涯スポーツとしての顔を持つラートの魅力を、栃木から発信したい」とも強調した。

ラート

 1925年にドイツで子どもの遊び道具として考案され、ヨーロッパを中心に普及した。日本では89年ごろから、ニュースポーツとして広まった。金属製の輪の直径は身長プラス35~45センチが目安とされる。日本ラート協会によると、95年から2年に1度開催されている「世界ラート競技選手権大会」には毎回、15カ国100人ほどが出場している。