横断歩道の歩行者優先を呼び掛ける動画の一場面(県警、県交通安全協会提供)

 信号機のない横断歩道で車が一時停止した割合の調査で本県が全国最下位だったことを受け、県警と県交通安全協会は15日までに、「脱!止まってくれない栃木県」と題した動画を制作し、同協会のホームページ(HP)で公開している。横断歩道の両側にいる男女が車に邪魔され、いつまでも会えないといったインパクトのある動画で、歩行者優先を訴えている。一方、県警は6月4日を統一行動日として街頭活動や取り締まりを実施し、ドライバーに一時停止を呼び掛ける。

 日本自動車連盟(JAF)が昨年公表した調査結果によると、信号機のない横断歩道で車が一時停止した割合は全国平均が8・6%だったのに対し、本県は0・9%。都道府県で唯一、1%を下回った。

 県警と同協会が制作した動画は約30秒。横断歩道を挟んで対面する男女が、何台もの車が通行しているために横断できず、悲しむ様子で互いの名前を呼び続ける内容となっている。

 4月にHPで公開したほか、県警はとちぎテレビのニュース番組内のCMとして1日2回放映している。佐野や鹿沼市など県内4カ所のケーブルテレビでも放映中。またサッカーJ2栃木SCの協力を得て、県グリーンスタジアム(宇都宮市)の大型ビジョンで試合開始前に流している。

 一方、県警は6月4日を「止まってくれない!栃木県からの脱却を目指す日」に設定した。「無視(64)」の語呂合わせという。県警や同協会、自治体の職員ら307人が、県内の通学路や商業施設付近など32カ所で集中的に周知活動を実施する。啓発ポスターを掲げてドライバーにアピールするほか、県警交通機動隊などが取り締まりも行う。

 県内で2014年からの5年間に、横断歩道で発生した人身事故は638件で、負傷者は638人、死者は19人。県警交通企画課は「歩行者優先の意識を理解してもらい、他人に優しい運転を心掛けてもらいたい」と呼び掛けている。