大使館に贈られるサツキ盆栽と左から佐藤市長、高橋理事長、白石理事長

 【鹿沼】差別のない社会、世界を目指そうと市は、市花「サツキ」の盆栽と鹿沼組子の衝立(ついたて)を15日、バチカン市国と東京都千代田区のローマ法王庁大使館に出向いて贈呈する。1本のサツキにさまざまな花が咲くことから、市はサツキの花を差別解消、人権尊重を象徴するイメージとしており、差別をなくすため尽力しているフランシスコ法王とバチカン市国に敬意を表するため、としている。

 派遣された市職員2人は既にローマ入りしており、在日大使館には佐藤信(さとうしん)市長、日本皐月協同組合の高橋幸夫(たかはしさちお)理事長(71)=高橋園芸園主=らが訪問し、代理大使に手渡す予定だ。

 贈呈を控え、14日には市役所で大使館に贈るサツキ盆栽が報道関係者に披露された。「愛の月」と名付けられた品種で樹齢約50年。幹長62センチ、幅83センチ。高橋理事長は「純白、紫のしぼりなど6種の花が咲き分けみやびを感じさせる品種。樹形も最高の逸品」と評し、2週間後からは約500個の花を付けるという。

 衝立は鹿沼の名匠に選ばれている家族が手掛けた作品で90センチ四方の観音開き。鹿沼建具商工組合の白石修務(しらいしおさむ)理事長(60)は「地元杉材で麻の葉を図柄としている手が込んだ作品」と話す。

 サツキは1本の木に複数の色、柄、形の花が咲く特徴があり、市は「地球に例えれば、そこに咲く花は幾重もの民族のように存在感があり尊さを感じさせる」と説明。佐藤市長は「11月以降に法王が来日するという話もあり、サツキ盆栽を贈ることで、差別のない社会のイメージを共有できれば」としている。

 園芸に適した鹿沼土が出土する市は、サツキの品質は日本一を誇り、市花にも制定。25日からは全国有数の第28回鹿沼さつき祭りが10日間の日程で開催される。