「平成ありがとう」と声にしながら乾杯するビアパブの客たち=30日夜、宇都宮市池上町

 前天皇陛下が退位された30日、30年余りの平成が幕を閉じた。毎日の日課をこなす人や仕事に汗を流す人、酒を酌み交わして時代をまたぐ人。県内各地には「平成最後の日」を思い思いに過ごす姿があった。

 午前6時半。宇都宮市本丸町、宇都宮城址(じょうし)公園に傘を差した男女が集まった。正月も休まず毎日ラジオ体操を行う市民たちだ。この日は7人で体を動かした。

 同市南大通り4丁目、無職山田昭利(やまだあきとし)さん(80)は普段、雨の日は体操を休むが「平成最後」と参加した。「平成は戦争のない時代だった。令和でも続いてほしい」と願う。

 いつも通り仕事をする人もいる。佐野ブランドキャラクター「さのまる」のグッズを販売する「さのまるの家」(佐野市高砂町)。接客に当たる同市石塚町、同市観光協会のパート職員舘野由紀子(たてのゆきこ)さん(41)は「10連休のうち7日は仕事」と苦笑いを浮かべる。「忙しくて、時代の変わり目という実感は湧いていない」のが本音という。

 午後2時半、JR那須塩原駅。川崎市中原区、主婦大島有梨沙(おおしまありさ)さん(30)は10連休を利用し、長女(3)と那須塩原市の祖母宅に。幕を閉じる平成に「少し寂しい感じがする」と話し「(令和は)虐待など悲しいニュースがない時代になってほしい」と望む。

 足利市毛野新町、同市職員亀山泰昭(かめやまやすあき)さん(45)は、十数年ぶりに市内の銭湯「花乃湯(はなのゆ)」を訪れ、日頃の疲れを癒やした。

 「高校、大学と青春時代を過ごした平成が終わるのは感慨深い」と振り返りつつ「令和もしっかりと責任を感じて仕事に取り組みたい」と語った。

 夕方、大田原市のスーパーを妻と訪れた同市湯津上、アルバイト檜山操(ひやまみさお)さん(64)は、カーナビのテレビで前陛下の退位前の最後のお言葉を聞いた。「これからは安らかな日々を過ごしてほしい」とねぎらった。

 買い物客で混み合うスーパー。カレーなどいつも通りの夕食の材料を購入する人もいれば、「年またぎの気分で今夜はそばにする」と話す人もいた。

 宇都宮市若松原3丁目、会社員小野寺良和(おのでらよしかず)さん(47)は、同市池上町のビアパブ「BLUE MAGIC(ブルーマジック)」で、時代をまたぐカウントダウンイベントに参加した。昭和天皇の崩御に伴う平成への改元は高校時代。「今回はお祝いムードで新時代を迎えられる」と笑顔を見せ、満員の店内で仲間とジョッキを合わせた。