デスカフェを開く小口さん(右から2番目)

 【宇都宮】平松本町の看護師小口千英(こぐちちえ)さん(39)が、死に対する考え方を共有する「デスカフェ」を宝木町1丁目の飲食店「Cafe 心奏(ここな)」で毎月1回開いている。母の死を受け入れられずにいた自身の経験を基に、家族や友人の死に直面した人が悩みを打ち明けられるきっかけをつくろうと昨年2月に始めた。小口さんは「人の死にまつわる悩みやつらさを持った人が自分だけで感情を抱え込まず、安心して話せる場を提供したい」と話している。

 デスカフェは、お茶を飲みながら気軽に「死」について語り合う場。10年ほど前、スイスの社会学者が妻の死を機に開いたのが始まりとされている。

 小口さんが母を亡くしたのは2年前。「母が生きている間にもっと話したかったという思いなどが残り、心の整理がつかなかった」と当時を振り返る。

 新聞を通じてデスカフェの存在を知り、知人のカフェで母の死について話すようになった。「話すこととで自分の気持ちと向き合えたし、聞いてくれる人がいる環境の大切さを感じた」

 参加者は毎回5人ほど。数回参加すると来なくなる人がほとんどで、顔触れが変わるという。小口さんは「足を運ばなくてもよくなったのは、向き合えた証拠」と効果を感じている。

 一方、リピーターの中には趣味を共有できる仲間を見つけた人もいる。このほど開かれたカフェではリピーター3人が近況報告や趣味についても語り合い、和やかな空気に包まれた。

 下栗町、根田喜美子(こんだきみこ)さん(69)は妹の死をきっかけに足を運び始めた。「共感してくれる人がいる安心感がある。今は家族の悩みなども話すようになり、来るたびに新しい考え方の発見がある」と語った。

 小口さんは「死について話すことはマイナスイメージが強いものの、生き方を考えることにもつながる。世間話をする感覚で気軽に参加してほしい」と話している。

 次回は5月9日午後2~4時。参加無料(1オーダー制)。(問)小口さん090・6790・8853。