世界各地ではしかが流行している。世界保健機関(WHO)によると、ここ数年患者が比較的少なかった、日本を含む西太平洋地域でも昨年以降、患者が急増している▼特にフィリピンは深刻で、今年初めから3月下旬までの患者は約2万3千人で昨年1年間の数字を早くも超えた。肺炎や脳炎などによる死者は300人を上回るという。原因の麻疹ウイルスは空気感染し、はしかへの免疫が不十分な人の間ですぐに広がる▼患者や死者の大半は幼い子ども。いかに2回のワクチン接種を確実に実施し彼らを守るかが大きな課題だ。日本も今年のはしか情勢は穏やかでない。海外由来とされるウイルスによる患者数は3月下旬時点で342人(速報値)と昨年の282人を超えた▼だがフィリピンなど途上国との違いは患者の大半が大人である点だ。国内では大まかに40代後半以上は自然感染で免疫を獲得した人が多く、10代は公費助成で2回のワクチンを受けられた世代▼主に20~30代にワクチンが1回だけなどで免疫不足の人がおり、今年の患者も20代、30代で半分強を占める。「はしかは大人にも怖い病気であることがほとんど知られていないのでは」と感染症専門医は嘆く▼今年の流行が大きくなれば重症例も増える恐れがある。2回接種したかが不確かならワクチンを受けてほしい。