君島一郎氏(左)、渡辺美知太郎氏(右)

 那須塩原市の君島寛(きみじまひろし)市長の死去に伴う那須塩原市長選は14日告示、21日投開票で行われる。3月9日の君島市長急逝後、自民党那須塩原市支部は候補者一本化を目指し調整を進めていたものの頓挫。これまでに、同市議会前議長の君島一郎(きみしまいちろう)氏(63)と渡辺美知太郎(わたなべみちたろう)参院議員(36)が立候補へ名乗りを上げた。ともに同党推薦を得たい意向を示しており、保守分裂選挙となることが確実な情勢だ。

 「候補者選考は(市内の自民党)県議2人に委ねる」。3月17日夜、同支部の役員らが市内で会合を持ったが、君島市長の後継候補選定には至らなかった。選考は、阿部寿一(あべとしかず)、関谷暢之(せきやのぶゆき)両県議に委ねられることになった。

 もともと両県議を候補に推す声は強かったが、阿部県議は家族の健康問題などを理由に立候補しないことを早々に明言。周囲から出馬を望む声の強かった関谷県議も、自らの去就について口を開くことはなかった。そこで出てきたのが、君島市長後援会の幹事長で同市議会議長だった君島一郎氏。顔ぶれの重なる部分が多い君島市長後援会と阿部県議後援会内で擁立論が高まり、有力候補に浮上した。

 しかし、20日の会合でも方針がまとまらず、翌21日、しびれを切らすように君島市長後援会幹部が君島一郎氏に出馬要請。同日、君島氏が「君島市長の遺志を継ぐ」と立候補を表明した。

 しかし、23日の再会合でも結論は出なかった。関谷県議側が態度を決めかねている間に、同支部の小瀧信光(こたきのぶみつ)支部長の元に「別の保守系候補擁立の意向が寄せられている」ことが明らかとなり、同支部は一本化を事実上断念した。

 その候補とは別に、水面下で名前が取り沙汰されていたのが渡辺氏。元副総理兼外相の故・渡辺美智雄(わたなべみちお)氏の孫で、無所属のまま自民党会派に所属する財務政務官。知名度に加え、市町合併で誕生した同市は市長3人のうち在職で2人を亡くしており、若さに期待する声が高まった。

 28日夜に市内若手経営者らから出馬要請されるなど、渡辺氏は「さまざまな方から要請を受け決意が固まった」として4月3日に立候補を表明。8日に財務政務官を辞任、参院議員の辞職願も提出した。

 君島氏は君島市長、阿部県議の後援会のほか、簗和生(やなかずお)衆院議員や津久井富雄(つくいとみお)大田原市長らの支援を受ける。対する渡辺氏は、佐藤勉(さとうつとむ)衆院議員や関谷県議後援会の大半が支援に回るほか、旧みんなの党関係者なども含め党派を超えた支持を得たい構え。投開票まで10日を切った短期決戦は熾烈(しれつ)を極めそうだ。