国土交通省関東地方整備局は11日までに、2019年度の新規事業として、県が国による直轄権限代行での整備を要望していた国道121号で、日光川治防災事業に取り組むことを決めた。バイパスを整備し、自然災害に強い道路ネットワークを作る。同局によると、県内での直轄権限代行事業は初めて。国道4号矢板大田原バイパス整備も新規事業化し、渋滞緩和や交通の安全確保を目指す。

 日光川治防災事業は日光市川治温泉川治から同市五十里までの3・4キロで、約3キロのトンネルを新設しバイパスを整備する。大雨による交通規制で川治温泉が孤立することが避けられるほか、急カーブがなくなることで走行性が改善し、川治温泉周辺で歩行者の安全性が高まることが期待される。19年度は地質調査を実施する予定で、総事業費は約500億円を見込む。

 同路線は狭い道路にカーブが続く地形で、頻繁に落石や崩落が発生し、整備が長年の懸案となっている。一部の箇所でダムの導水路があることなどから高度な技術を伴うため、県は国が代わりに整備事業を行う直轄権限代行での整備を求めていた。

 矢板大田原バイパスは矢板市針生から那須塩原市三区町までの7・9キロ。南側の約5キロは新たにバイパスを整備し、残りの約3キロは現道を拡幅する。交通渋滞の緩和や交通事故の減少、3次救急医療機関の那須赤十字病院へのアクセス強化などが見込まれる。19年度は地形測量を実施する計画で、総事業費は約400億円となる見通し。

 現道は片側1車線で道幅も狭く、朝夕を中心に渋滞が発生するため、県や矢板、大田原、那須塩原の3市は07年度から、国にバイパス整備を要望していた。

 新規事業化を受け、福田富一(ふくだとみかず)知事は「地元市と共に要望してきたところで、新規事業化は大変喜ばしい。国と連携して早期の完成を目指したい」とコメントした。

■ズーム 国による直轄権限代行■

 本来、地方自治体で行うべき道路や河川などの整備事業を国が代わりに実施する制度。地方自治体が国へ要望し、整備の重要性や高度な技術が必要で、地方自治体では効率的な工事を行えない状況などを考慮して判断される。日光川治防災事業の場合、費用負担は国が3分の2、県が3分の1。