北関東に属し、ともにブランド力不足に悩む茨城県と栃木県。話す言葉も似通い気心が知れた間柄である。その茨城にあって栃木にないものの代表格は海だろうか▼では逆は。答えの一つが県域テレビ局である。全国で最後まで空白県だった二つの県のうち、本県にとちぎテレビが開局してこの4月でちょうど20年目を迎える▼放送本部長の堀川祐司(ほりかわゆうじ)さん(56)は開局準備を含め、四半世紀にわたってテレビ放送に関わってきた。当初は県職員からの出向として、2002年からは社員として文字通り奮闘の日々だった▼「人も金も無い無い尽くしの中で時間に追われ、局内の床に雑魚寝しながら手探りで番組をつくってきましたね」。最も印象深かったのは東日本大震災時の体験という。「格好を付けても仕方ない」と生活情報を模造紙に書き付け、そのまま放映。愚直さが視聴者から好感を得た▼20年記念の新番組が、同局とはなじみ深いお笑いコンビによる「U字工事の旅!発見」。毎週面白おかしいだけでなく、県内はもとより近県各地を知的な発見を探しながら訪ね歩く▼キー局などがひしめき合うこの地にあって独立局が生き残るのは容易ではないという。だがキャッチコピーに掲げる「小さくてもキラリと光る県民テレビ」を実行すれば、視聴者からの支持は着実に増すのでは。